クラウドファンディングのMakuakeから小型のサウンドプロセッサ「XPUMP」が登場します。
プロジェクトページのうたい文句は「音楽に臨場感を」。世界一コンパクトな3Dオーディオホームシアター、とのコピーもあります。
公開されているサンプル動画を試してみるとかなり良く音が回り込んでくれ、バーチャルサラウンドプロセッサとしてはかなり優秀そうなことが分かります。
今回はこの小さなサウンドプロセッサ「XPUMP」を取り上げてご紹介します。
実態は小型バーチャルサラウンドプロセッサ?
キャッチコピーには「3Dオーディオホームシアター」の文字が並べられていますが、XPUMPはもちろん単独でホームシアターシステムを代替できるものではありません。小型ヘッドフォンアンプにUSB DAC機能とバーチャルサラウンドプロセッサを内蔵したような製品イメージです。
本当の意味でのホームシアターシステムの、3D音響信号を作り出すコア部分のみを抜き出したようなイメージでしょうか。
XPUMPのLINE出力にアンプとスピーカーを接続することで初めてホームシアターシステムの体をなすようになります。
2chスピーカーだけでも良く回り込んでくれる音空間表現
多くのバーチャルサラウンドシステムでは音楽再生時の音場を広げてくれる効果は良く出ますが、映画などの音源の移動を表現に使う作品では音源の移動幅はあまり大きくないシステムが多めです。バーチャル「サラウンド」と言いつつ、音による包まれ感が少ないシステムが多いのが現実ですね。聞く人の前に置いた2chのスピーカーだけでの再生の限界、という部分もあります。
これに対しXPUMPが内蔵するバーチャルサラウンドシステムは、かなりうまく音の回り込みを表現してくれます。
プロジェクトページでは後ろ側への音源移動の表現も出来るような書き方になっていますがサンプル動画を再生する限り、著者の手元のオーディオシステムではさすがに後ろまで音は回り込んでくれませんでした。
その代わり左右の耳のすぐ横で音が鳴っているような音の回り込みの表現はされます。サラウンド感はしっかりと出せるかなり優秀なシステムのようです。
横方向に音が回り込んだときに、もう少し音源との距離感も表現できれば最高ですね。
Q&AにはDACではない、とあるけれど
XPUMPのプロジェクトページのQ&A欄には「DACではない」との回答が載せられています。ですが内容的にはXPUMPにはUSB DAC機能が搭載されている、と考えた方が良いでしょう。スマートフォンやパソコンのUSB端子に接続し、そこから出る音のデジタルデータを受け取ってバーチャルサラウンドの処理を行ない、アナログのLINE(またはヘッドフォン)端子から音の信号の出力を行ないますので。
ただXPUMPは単なるUSB DACではなく、プラスαの機能があるのも間違いないところです。
バッテリーも内蔵
XPUMPは比較的小型で、ちょっと大きめのUSBメモリぐらいのサイズ感でしょうか。長さ9.2cm x 幅2.7cm x 厚さ1.55cmの小ささです。このコンパクトさながらXPUMP自体を8時間駆動できるバッテリーを内蔵していて、スマートフォンと接続して利用する際にスマートフォン側のバッテリーを消費しない優れものです。
対応可能な音のサンプリングレートは16bit/48kHzまでで、ハイレゾ音源には対応しません。
それでもスマートフォン本体やパソコン本体に内蔵されているサウンド回路よりはクリアな音を出すことが期待できますね。
スマートフォン向けのポータブルアンプはどれもある程度のお値段がしますから、プラスαの機能が付いて14,600円で販売予定のこの製品にはお買い得感があるかもしれません。
また、今はまだ11,680円の出資でXPUMPが1つもらえるコースの支援も募集が続いています。
プロジェクトは既に目標を大幅に上回る出資を集めてゴールしていますので、生産が順調に進めばアーリーアダプタの手元には2017年12月頃には製品が届きます。