今、ソニーにはパソコン部門がありません。ご存じでしたか?でも「VAIO」の名前のついたパソコンは今でも新製品の開発が行なわれて販売もされています。
ではどこがVAIOを作っているかというと、ソニーのパソコン部門が丸ごと分離して出来た「VAIO株式会社」が製造・販売を行なっています。ですので、当たり前ですが今のVAIOにはソニーのロゴは入っていません。
分離からしばらくは、ソニー時代のパソコン引き継いで生産と販売を行なっていましたが、徐々にVAIO株式会社ならではのVAIOに置き換えが進んでいて、その中の新しいパソコンの一つが今回ご紹介する「VAIO S11」です。
系統的にはVAIO pro 11の後継機
VAIO S11は11.6型フルHD解像度の液晶パネルを搭載するモバイル型のノートパソコンです。製品の系統的にはソニー時代からのVAIO pro 11の流れにある製品になりますが、微妙に製品の性格も変わっていて中身は完全に新開発になります。
こだわりのキーボードなど「VAIOらしいVAIO」
VAIO株式会社には究極のモバイルパソコンともいえそうなVAIO Zという、モバイルパソコンのモンスターがありますが、VAIO S11でもこのVAIO Zの技術を受け継いで設計が行なわれています。
キーボードは打鍵音が静かでキータッチの評判の良いVAIO Zのものを継承し、薄型のパソコンでは重要になる冷却機構にも、やはり強力な能力を持つVAIO Zの仕組みが流用されています。
ビジネスユーザの利用を考えてD-Sub(アナログRGB:青色の台形のディスプレイコネクタ)を搭載したこともこだわりの一つです。出張先で、プロジェクタに接続してプレゼンテーションを行なうシーンを想定したものです。
また、Thunderbolt 3という新世代の超高速の外部インタフェースを備えていることも特徴です。
SIMロックフリーのLTE通信機能も搭載
VAIO S11ではSIMロックがかかっていない(SIMロックフリー、SIMフリー)タイプのLTE通信可能な、携帯無線通信モジュールを搭載していることも特徴です。
この機能を有効に活用できるようにするために、ボディーはより質感を高く出来る金属製の筐体を敢えて採用していません。当然のことですが金属は電波を通しませんので、無線通信を安定して行なうには金属ボディーはマイナスの要素になってしまうからです。
ですが、樹脂製のボディーでもきわめて堅牢性は高い仕上がりです。
バッテリーのみで1日仕事が可能
VAIOのモバイルパソコン共通の美点ですが、このVAIO S11もバッテリーでの駆動時間がとても長くなっています。公称15時間、実際にも10時間近い利用が可能でしょう。1日仕事で外出しても、ACアダプタを持ち歩く必要がなさそうです。
1台目としても2台目としても
CPUにはインテル製の第6世代のCoreプロセッサを搭載してパワーも十分で、1台目のパソコンとしても十分以上に使えます。2台目のモバイル用としても1kgを切る重量を実現していて、とても使いやすい機種に仕上がっていると思います。
VAIO S11は価格は少し高めですが、その分しっかりした品質と性能を備えたパソコンです。