パソコンはタブレット端末に押されて販売台数などが減少しています。そんな中でも、いくつかのジャンルの製品が注目を集めました。
1つはタブレット端末としてもノートパソコンとしても利用できるタイプの、2in1と言われるタイプの製品。その次に盛り上がりを見せたのが、今回ご紹介するASUSのVivoStick PCなどを含む「スティックPC」と呼ばれる超小型のパソコンです。
今回はスティックPCがどんなものかの説明も混ぜながら、ASUSのVivoStick PCをご紹介します。
心臓部はタブレット端末から
スティック型パソコンは、USBメモリのような形をした超小型のパソコンです。サイズ的には、USBメモリを2周りから2周りほど大きくしたようなイメージです。
USBメモリのUSB端子に当たる部分は、映像と音声信号を伝えるためのHDMI端子になっています。この端子部分を直接液晶テレビなどに接続して電源をつないでやれば、テレビ画面をディスプレイとしてWindowsなどが使えるようになります。
非常に小型軽量ですが、きちんとフル機能のWindows 10などが動いてしまうところが最大の特徴となっています。
小さなサイズの中にパソコンの機能すべてを詰め込んでいますので、スティック型PCはCPUの発熱の処理は非常に難しい形とサイズです。このためパソコンの心臓部となるCPUには、Windowsタブレットのために作られたインテルの省電力CPU、ATOMというブランドのチップが使われています。
タブレット用に作られたATOMシリーズがそこそこの性能と非常に低い消費電力と低発熱を実現できていなければ、こういったタイプの超小型のパソコンが生まれることはありませんでした。
基本スペックもタブレットと同様
メインメモリやSSDの容量もタブレット端末と同レベルで、メインメモリは2GB、SSDには32GBのものが使われています。
ASUSのVivoStick PCではWindows 10を搭載していますが、このOSを動かすにはミニマムなスペックと言っていいでしょう。
新世代のATOM x5 Z8350を搭載
ASUSのVivoStick PC TS10では、CPUには最新世代のATOMを搭載しています。1世代前のATOMシリーズのCPUよりも、グラフィック性能が大幅に向上しているところが最大の特徴です。
画面の描画負荷の小さめのものなら、3Dもののゲームもある程度遊べてしまう性能があるはずです。
また、最新の規格に対応した高速の無線LAN機能を搭載。さらにUSB2.0とUSB3.0のコネクタを1つずつ搭載して、ある程度の拡張性も備えるようになりました。冷却用の小型ファンも搭載して、負荷のかかる状況でも安定して性能を発揮できるようになっています。
こう言った部分は第一世代の機種で不満の集まっていた箇所で、そこをしっかりとつぶしてきた形になっています。
当然小型軽量
VivoStick PC TS10のサイズは139mm x 36mm 16.5mm。重さはたったの75gしかありません。このサイズに本格的なWindowsパソコンの機能が全部詰まってしまっているというのは、スティック型PC登場時にはかなり衝撃的でした。
また今でも、従来のパソコンでは考えられない使い道を実現できる可能性を秘めています。
液晶ディスプレイが液晶一体型PCに変身
液晶ディスプレイのHDMIコネクタにスティックPCを挿しておくと、表から見た限りはパソコン本体の見えない液晶一体型PCのようになります。他にも本体が極めて小さいことで色々な活用方法が考えられるでしょう。場合によっては出張先にノートパソコンを持って行かなくても良くなるかもしれません。
オフィスソフトで文書を作ったり、ネット動画を見たり、Webを巡回するといった作業であれば問題なくこなせる性能もありますから、パソコンでは軽い作業しかされない方は、これをメインのパソコンにしてしまうことも可能だと思います。