Acerから遂に厚さ10mmを切るノートパソコンが登場しました。
インテル主導でUltrabookという新しい名前まで作ってモバイルノートパソコンの薄型化が進められてきましたが、遂に一つの到達点に達した、という形になるでしょうか。
数字だけ聞いてもあまりピンときませんが、実際にAcerの製品の紹介ページで画像を見てみると、その薄さには非常に大きなインパクトがあります。
閉じてもちょっと厚めのタブレット端末レベル。それでいながら物理キーボードが使用可能という優れた生産性を実現可能な機種になります。
今回はAcerから登場した超薄型ノートパソコンSwift 7をご紹介します。
とにかく薄い筐体
本体の厚さは9.98mm。遂にノートパソコンが厚さ10mmを割ってきました。13.3型液晶を搭載してある程度のフットプリントのある機種ですので、恐らく実物を手にするとその薄さがより際立つかたちになると思います。画像で見る以上のすごいインパクトになるでしょう。
重量も1.1kgと十分に軽量。
同クラスの13.3型液晶搭載機には、富士通の777gの機種、NECの779gの機種がありますので重量面ではさすがにかないませんが、それでもこの薄さには説得力がありますね。
液晶側は強度をある程度保護ガラスのゴリラガラス5に任せた設計になっているようですので、その部分で若干重量面は損をしているかもしれません。
スペックはタブレットに近いもの
さすがにこの薄さでは冷却用のファンなどを組み込むには無理があったのでしょう。CPUはタブレット向けで、楽々ファンレス動作が可能になるY型番のCoreプロセッサを搭載しています。従来のYプロセッサはCore mブランドで展開されてきたものですが、第7世代からはCore iブランドに復帰しています。Swift 7ではCore i5-7Y54を搭載します。
このプロセッサはデュアルコア構成で定格1.2GHz動作。ターボブースト時には最大3.2GHzで稼働します。
メンインメモリは8GB固定。ストレージには256GBのSSDを搭載します。
液晶パネルはフルHD解像度のものを搭載。CPUがYプロセッサで統合GPUもあまりパワーのあるものではありませんので、画面サイズの面とも合わせ無難な解像度を選択したと言えますね。
本体側が非常に薄いこともあって搭載しているインタフェースは限定されています。フルサイズのUSB Type-A形状のコネクタや、HDMI、有線LANポートなどは物理的に搭載が無理ですね。それぐらいに本体が薄いのです。
このためSwift 7ではType-C形状のUSB3.1コネクタを2つだけ搭載しています。
USBパワーデリバリーを利用する形で、ACアダプタからの給電もUSB Type-Cコネクタを使います。このため、AC駆動時にはUSBコネクタは1つしか利用できなくなります。
本格的に外付け機器などもつないだ利用をする場合には、USBハブやポートリプリケーターが必須になりそうです。
外部ディスプレイもUSB Type-Cコネクタ経由で接続を行います。DisplayPort相当の映像信号出力が可能となります。
バッテリー容量はノートパソコンとしては少なめのものですが、それでも消費電力の少ないYプロセッサ搭載のため、バッテリー駆動時間は9時間を達成しています。
モバイルノートパソコンの新しい選択肢として
Swift 7は非常に薄く、ビジネスバッグにもするっと収まってしまうサイズ感、1.1kgの軽さなど、いつでも持ち運んで使えるサイズ感・重量が実現できていると思います。黒と派手目のゴールドの配色もなかなか美しい仕上がりです。
ただ、薄さの分、キーボードのストロークには期待が出来ません。その分をうまくカバーできるキータッチが実現できているかは気になる部分です。
キーボードの使用感はパソコンの使い勝手を大きく左右する部分ですので、購入を検討する方は事前にキーボードのフィーリングを確認した方が良いでしょう。
あとは価格が約18万円と高めになる部分も、驚異的な薄さに価値を見いだせるかどうかで評価が分かれる部分になるかもしれません。
以前は薄いノートパソコンというと日本メーカーの独壇場の印象がありましたが、台湾メーカーなどの頑張りでグンと選択肢が広がったように思います。