実は今までマイクロソフト自身が作るPC、Surfaceシリーズには、純粋なノートパソコンが存在しませんでした。
そう聞くと、えっ??となる方も多いと思いますが、Surface Proシリーズは本体はあくまでタブレット端末。それにタイプカバーを付けることでノートPCライクな使い方が可能になる機種です。
よりノートPCに近いSurface Bookも、液晶側とキーボード部を分離して利用でき、その機能を実現するためにパソコンのメイン機能は全て液晶側に搭載されています。構造的にはやはりタブレットPCとほぼ同じになる2in1 PCです。
そんなSurfaceシリーズに遂にというよりはやっとかもしれませんが、純粋なクラムシェルタイプのノートPCが登場します。それがSurface Laptopです。
日本市場にも投入が予定されている(6月15日予約開始)この機種を今回は取り上げてご紹介します。
スペック
まずはSurface Laptopのスペックからご紹介します。Surface Laptopのモデル構成はとてもシンプルで、上位機種と下位機種の2つの機種だけの展開になります。
CPUは第7世代のCoreプロセッサを採用し、上位機種、下位機種とも共通です。
2機種の違いは、メインメモリとストレージのみ。上位機種が8GBのメインメモリに256GBのSSD、下位機種は4GBのメインメモリと128GBのSSDになります。
ディスプレイサイズは13.5型で、縦横比はSurfaceシリーズ共通の2:3。解像度は2,256 x 1,504ドットとかなり高解像度です。
10点タッチ対応のタッチパネルを搭載していて、1024段階の筆圧検知に対応するSurface Penがもちろん利用できます。
OSには先日発表されたばかりの新エディションWindows 10 Sを搭載するところも話題となりました。Surface Laptopでは、2017年中はPro版に無償でアップグレードできる権利が付いてきます。
この期限が切れたあとも49ドルでPro版にすることが出来るようですが、一度Pro版にしたあとSに戻すことは出来ないそうです。
インタフェースはほぼフルに搭載していると言っていい内容ですが、USB3.0ポートの数が少なめ。有線LANポートもなさそうです。ユーザーによってはUSB3.0のHUBの併用が必須になるかもしれません。
フットプリントはA4用紙より一回りほど大きな約308mm x 223mm。厚さは最大でも15mm以下と、かなりの薄さが実現できています。
重量は1.25kgほどありますがフットプリントが大きいため、手にした重量感は逆に軽く感じるPCになるかもしれません。
一応、文教向け?
Windows 10 S自体が文教分野をターゲットに据えたエディションとなっていますので、一応Surface Laptopも文教向けの機種だと思われています。ただ、日本での販売価格は下位機種でも126,800円とされていますので、学生でも多分大学生かそれ以上がターゲットになるのではないでしょうか。
Windows 10 Sでは、ユーザーが新アプリをWindows ストアからしかインストールすることが出来ない制限が施されています。機能自体は最新のWindows 10全てに実装済みですが、Windows 10 Sではその機能を切ることができなくなっています。
このため出所不明のいわゆる「勝手アプリ」をユーザがインストールしてしまうことがなくなるため、端末管理の観点では管理者にうれしいOSになっています。
また、Surface Laptopでは期間限定とは言えPro版への無償アップグレード権がつき、他のSurfaceシリーズ以上に質実剛健な作りと高めの価格設定から、どちらかというとビジネスパーソンを狙った端末にも見えます。
真の他社製高級ノートPC対抗機かも
今までのSurfaceシリーズには、Surface独自の価値観が付与されていました。価格や性能面では、Surface Bookは他社製のモバイルワークステーションとためを張れる能力があります。ですが、2in1 PCとしての機能がある分、独自のジャンルで他社製品とは少し違う立ち位置にいました。
そういう観点では、Surface LaptopがSurfaceシリーズとしては初めて、まともに他社の高級ノートPCにぶつかる製品になるのかもしれません。