世界最大のパソコン用マザーボード製造メーカーであるASUSには、「ROG(Republic Of Gamers)」というゲーム製品専用のブランドがあります。このブランド名で、マザーボードやビデオカード、さらには完成品のパソコンの展開も行なっています。
このROGブランドで、ASUSがまさに超弩級としか表現のしようのないゲーミングノートパソコンを登場させました。内容はまさに何もかもが規格外。
今回はこのパソコン「ROG GX700VO」をご紹介します。
基本スペック
まずこのパソコンの基本スペックを並べますが、そこからして既にただものではないことが分かります。CPUにはノートパソコン用であるにもかかわらず「オーバークロック」が可能な、Core i7-6820HKを搭載。このCPUは定格動作時には、通常は2.7GHz、ターボブースト時には3.6GHzまでクロックが上がるCPUですが、ROG GX700VOは最高4GHzまでのオーバークロックに対応しています。
メモリは大容量32GBを搭載していて、こちらもオーバークロックが可能。最大2800MHz相当のデータの転送速度を実現します。
画像処理用チップのGPUには、本来デスクトップパソコン用であるGeForce GTX980を搭載。
また、内蔵ストレージには、単体でも超高速なNVMe対応のSSDを2つRAID 0構成で積むことで、異次元とも言える性能を実現しています。
すべての面がまさにモンスター。
液晶は17型でフルHDのものを搭載と、ここだけは比較的控えめなスペックです。
水冷ユニットをつなぐことで真の姿が
ROG GX700VOは水冷ユニットを外して本体のみを空冷で動かすことも可能ですが、本来の性能を引き出すにはかなり巨大で重量が「4.8kg」もある水冷ユニットをドッキングする必要があります。ノートPCというのは本来、消費電力やサイズ、重さの面など各種の負担を減らすことが出来るはずのパソコンです。ですが、ROG GX700VOはただでさえ大きな17型液晶搭載機なのに、さらに水冷ユニットをドッキングさせると奥行きが60cm近くのサイズになり、重量も下手なデスクトップパソコン本体を超える重さになります。
なぜノートパソコンの形を選択したのかよく分からなくなるようなマシンですが、そういったところを詮索するのは野暮なのかもしれません。
さて、話が脱線しましたが、ROG GX700VOが本領を発揮するのはこの水冷ユニットをドッキングさせた状態です。
CPUもオーバークロック動作しGPUも本来の性能を発揮するようになり、水冷ユニットを外して空冷で動いている時よりも、グラフィック系のベンチマークでは、25%近く高い数値を叩き出すようになります。
性能面では比較すべきは他社のゲーミングノートではなく、かなり本格的なデスクトップのゲーム向けパソコンになります。それぐらいノートパソコンとしては桁外れの性能を備えています。
それでいて水冷機構により安定した高い冷却性能を実現し、フル稼働時にも本体には気になるような熱を持つ部分もなく、使用感においても優れた使い勝手を実現しています。
価格も超弩級
ROG GX700VOは水冷ユニットまで含めた本体一式をまとめて移動させるための専用の「スーツケース」まで付いてくると言う、どこまでも徹底して超弩級の仕上がりになっています。このため当然と言えば当然なのですがお値段も超弩級です。税込み価格は60万円近くと非常に高価です。
パソコン自作のスキルを持っている方ならこの予算があれば、数段性能が上のデスクトップパソコンを自作可能なはずですが、ROG GX700VOの水冷ユニットをドッキングした時の独特のすごい存在感は、他の製品ではあり得ない凄さがあります。
そういった部分に価値を見いだせればきちんとペイする製品と言えるのではないでしょうか。もちろん性能に関しては折り紙付きですし。