以前何かのイベントに参考出品されていて、技術デモとしては面白いなぁ、と思って流していたキーボードが本当に発売されることになりました。
しかも、あの「Realforce」ブランドから。
今回は、Realforceの東プレが仕掛けた「変態的」(褒め言葉)キーボード「REALFORCE108UH-ANLG」をご紹介します。
全キーアナログ量検知可能
REALFORCE108UH-ANLGでは、すべてのキーでキーの打鍵の深さを検知することができます。これがアナログ入力可能、の意味になります。ぶっちゃけてしまいますと、通常の文字入力だけのためのキーボードとしては全く意味のない機能ではあります。
ただ、この機能により、パソコン用キーボードが楽器の方のキーボードとして機能できるようになったり、アナログジョイスティックの代わりを出来るようになったり、マウス操作のエミュレートをすることが可能になったりします。
実際にREALFORCE108UH-ANLGでは通常の「キーボードモード」のほかに、「マウスモード」「MIDIモード」「ゲームコントローラーモード」を備えています。
ゲームコントローラーモードならば、キーを深く押し込むとPlayStationのコントローラーのアナログスティックを大きく倒したときのような動作ができるはずです。
ゲームコントローラーモードはしっかりとWindowsのゲームなどのサポート機能、DirectInputにも対応するようになっています。
また、MIDIモードではかなり凝った処理が行われていて、押し込み量の変化のスピードを感知してキーを叩く強さ(速さ)を検知できるようになっています。これにより、鍵盤を叩く動作のある程度のエミューレトが出来るようになっているようです。
マウスモードでは、最初にカーソル移動キーを押し込むスピードでポインタの移動速度が決まり、その後カーソル移動キーを押し込む深さを変えても、ポインタの移動速度は変化しないようです。
その代わりに右Altキーを押し込む深さで、ポインタの移動速度の「加速」が可能になっているそうです。右Altキーが自動車の「アクセル」のようなイメージになっていると言うことですね。
アナログモードではキーセンスの深さを細かく設定可能
アナログモードではどこまでキーを押し込んだところでキーを押したと判定するかを、235段階で設定可能になっているそうです。0〜19段階のところはほんのちょっとキーに触れただけでもセンスしてしまうことになるため対応を省き、一番押し込んだところはキー入力をそのものを行わない設定のための値にしたとのことで、調整可能な範囲は235段階に落ち着いたんだそうです。
そのあたりの恐ろしく細かなチューニングにはこのメーカーらしい、ものすごいこだわりを感じます。
キーボードモードでもキーセンスの深さを3段階で調節可能
アナログモードだけではなくキーボードモードでも、キーが押されたことを判定する深さを三段階で調節可能になっています。Realforceシリーズが採用する「静電容量検知式」のキースイッチならではの機能と言えるのかもしれません。
特に素早い反応速度が要求されるFPSなどのゲームでは、検知を浅い設定にすることでゲームを少し有利に運べるようになる、かもしれませんね。
価格は通常のRealforceシリーズより約1万円高
通常の108キーのRealforceシリーズのキーボードはだいたい2万円ぐらいのお値段がします。これでもかなりの高級キーボードですね。さすがにREALFORCE108UH-ANLGのほうは、アナログ量を検出するための仕組みに余分なお金がかかる分、さらに高価なプライスタグが付きます。
Amazonでもほぼ3万円の価格で予約が行われている状態です。
パーツの数をあまり揃えられなかったらしく、年内出荷分は数ひゃかうだいに限られるというお話もあるようです。
通常のRealforceシリーズのキースイッチの仕組みを活かす形でアナログ量検出も行われているはずですので、通常のキーボードモードで使用すればRealforceシリーズそのものの非常に快適なキー入力操作も実現されているはずです。
それに加えて、全キーでアナログ入力が可能な唯一無二の機能をどう考えるかで、このプラス1万円に価値を見いだせるかどうかが決まってきそうな製品なのかもしれません。