有線タイプのイヤフォンの最近の流行は、ハイレゾ音源対応とケーブル交換「リケーブル」が出来ることです。
ハイレゾ対応は音源データや再生機材の広がりである程度のユーザを獲得しつつあります。
またリケーブルのほうは、最初は高級イヤフォンで断線が発生してしまった場合の救援策、的なポジションからスタートしましたが、今では積極的にケーブル交換を行なって音のチューニングを行なうレベルにまでお話が進化してきています。
そんなケーブル交換に一つ新しい動きが出ています。ケーブルに機能を持たせてケーブル交換によってイヤフォンの機能追加を行なうものです。
今回ご紹介するADVANCEDブランドが販売しているMODEL 3もこのタイプで、ケーブルの交換で有線ハイレゾ対応のイヤフォンとしても、Bluetooth接続の無線イヤフォンとしても利用できるユニークな製品になっています。
小型ダイナミック型ドライバー採用
MODEL 3は比較的小径の振動板を持つダイナミック型ドライバー1つを搭載するイヤフォンです。再生帯域は上限が40kHzまで伸びていて、ハイレゾ対応ロゴを取得しています。
特別に凝った構成ではありませんが、逆に構造がシンプルな分とダイナミック型ドライバーの採用で、バランスの取れた自然な音の再生が期待できます。
ADVANCEDのブランド的にもボーカル帯域の再生に注目した自然な音作りを目指しているようです。
MMCXコネクタ採用
MODEL 3はイヤーピース側のケーブル接続用コネクタに、今現在のイヤフォンのケーブル交換の事実上のスタンダードとなっているMMCX端子を採用しています。これを利用して、有線接続のハイレゾ音源対応イヤフォンと、Bluetooth接続の無線イヤフォンの両立を果たすユニークなフィーチャーを実現しました。
このタイプの「ケーブル」としてShureが先行してBluetooth接続機能を持つケーブルだけを別途発売しています。
これに対しMODEL 3は、有線接続用のケーブルとBluetooth接続用のケーブルの両方をイヤフォン本体に同梱して販売するところが、ちょっと面白い製品構成になっていると思います。
恐らく、MODEL 3付属のBluetooth接続用のケーブルは、他のMMCXコネクタ搭載のケーブル交換可能なイヤフォンにも流用が出来るのではないかと思います。
ただ、MMCXコネクタの形状が製品によって微妙に異なるケースがあって、メーカーによりケーブルの流用が効かないこともあります。元々、MMCXコネクタは標準規格として厳密に制定された規格ではなかったはずですので、そのあたりには微妙に非互換も残ってしまっているのが現状ですね。
Bluetooth接続では高音質のaptXも利用可能
MODEL 3付属のBluetooth接続用ケーブルでは、Bluetooth用の音声コーデックの中では高音質なAACとaptXが利用できます。せっかくなら、ハイレゾ相当の音の伝送が可能なaptX HDやLDACにも対応してくれると良かったのですが。
ただ、ケーブルの交換でより高機能のBluetooth接続機能を持つケーブルに変更することも可能な仕組みですから、もしかしたら今後のケーブルのバージョンアップもあり得るかもしれません。
そういった可能性を持つシステムになっていますね。
Bluetooth接続用ケーブルは、中身的にはBluetoothのレシーバーとヘッドフォンアンプを内蔵していますので電源がなければ動作できません。
MODEL 3のBluetooth接続用ケーブルでは、Bluetoothレシーバー部にバッテリーを内蔵していて最大約5時間の連続再生に対応しています。
バッテリーはマイクロUSBコネクタ経由で充電する仕組みで、モバイルバッテリーからの給電でも充電可能になっていると思います。これによってより長時間外出先での利用も出来るようになります。
ちなみにフル充電は1.5時間で行えます。
リーズナブルな価格
MODEL 3はオーディオ再生を意識した高音質寄りのBluetoothヘッドフォンとしては一般的な価格と思われる、税込み10,800円で販売されています。有線接続用のケーブルも付属していますので、そちらも考えるとお買い得感のある価格になっていると言えると思います。
今後の製品展開次第では、ケーブル交換で更なる機能アップも期待できるユニークな特徴を備えたイヤフォンです。
ADVANCED(アドバンスド)