Windows 10ではOS本体が生体認証の仕組みをサポートする基盤を持つようになりました。「Windows Hello」と呼ばれる機能です。
この機能の一番分かりやすいところでは、Surface Pro 4やSurface Bookに搭載された顔認証によるWindows 10へのサインイン機能があります。
生体認証は、今、一般的なログイン方法であるID+パスワードの認証方式よりもセキュリティのレベルがずっと高いとされています。また、上手く実装すれば、Surfaceシリーズでの顔認証によるサインインのように、ログイン操作もずっと簡単で素早く行えるようになります。
今回はWindows 10固有の機能Windows Helloをより身近にしてくれる、マウスコンピュータの生体認証デバイス2つをご紹介します。
改めてWindows Helloとは
Windows Helloという機能でピックアップして捉えられている部分は、上にも書きましたSurfaceシリーズでの顔認証などによるログインではないかと思います。ですが実際のところは、Windows 10が持つ生体認証をサポートする機能すべてを指すものだと思います。
恐らくアプリケーション側が生体認証を実現するために必要な基盤機能をOSが内包していて、1から生体認証を実装するよりもかなり少ない手間で生体認証対応のアプリケーションの開発が行えるようになっているはずです。
Windows 10標準のブラウザであるEdgeはすでにWindows Helloに対応していて、対応するWebサービスでは顔認証、指紋認証などによるログイン操作が可能になっています。
ただ、まだWebサービス側の対応があまり進んでおらず、著者が気づいた範囲ではNTTドコモの料金や契約状況の確認・変更サイトがスマートフォンからの生体認証に対応しているぐらいではないかと思います。
また、アプリケーション側の対応もほとんど進んでおらず、主だった対応アプリケーションはEdgeのみに留まるのではないかと思います。
ネットバンキングサービスなどWebでも非常に重要な情報を扱うサービスがありますから、出来るだけ早期の生体認証対応も含めたセキュリティレベル向上策は求められているはずなのですが。
マウスコンピュータからは2つの生体認証デバイス
さて、マウスの生体認証デバイスですが、顔認証に対応するカメラユニットと、指紋認証に対応するセンサーの2種類が発売されています。↑画像をクリックするとAmazonにジャンプします。
カメラユニットの方は、可視光を捉える約200万画素のカメラと赤外線センサーからなる複合センサーになっています。
これにより顔認証する対象の位置をパソコン側がある程度探すことができ、カメラの正面から若干ずれた場所にいても、カメラからの距離が若干遠くなってもしっかりと高精度で、かつ、高速で顔認証を行えるようになっています。
また、多少顔が横を向いていてもしっかりと認識してくれる柔軟さも持っています。
Surface Bookなどを使った感じでは、認証は本当に一瞬。電源を入れて気づいたらサインイン操作が終わってデスクトップ画面が表示されていた、そんな感触でした。
ただ、こちらに難があるとすれば8000円程度となる価格でしょうか。
上でも書きましたように、パソコンでの生体認証が使えるシーンがまだあまりにも限定的すぎるのです。Windows 10へのサインインだけのためにこのデバイスを、というのは、ちょっと難しい部分も出てくるかもしれません。
ただ、将来的には生体認証は少しずつでも確実に広がっていくものではあるはずです。
↑画像をクリックするとAmazonにジャンプします。
もう一つの指紋センサーの方は、超小型のUSBメモリや、無線マウスのドングル風の形で、ノートパソコンに挿しっぱなしにしてもほとんど邪魔にならないサイズに仕上げられています。
スマートフォンの指紋センサーでもそうですが、認証精度の方は完璧ではありません。指の当て方や指先のコンディションなどで上手く認証が働かないケースが若干あります。その点は使う際には頭に入れておいた方が良いでしょう。
こちらの売価は5000円程度となるようです。
今後の普及は期待できる生体認証
上にも書きましたように、様々なシーンでセキュリティのレベルを引き上げることも可能な生体認証は、今後少しずつかもしれませんが確実に広がっていくと思います。その先行投資としてこれらの周辺機器を捉えられるかが、今時点での、この2つの製品が売れるかどうかの分かれ目かもしれません。
価格をとりあえず脇に置いておくなら、著者は顔認識用のセンサーは正直欲しいです。本当に一瞬でサインイン操作が終わっちゃいますので。便利性はホンモノです。