このジャンルのカメラに先鞭をつけたのはソニーでした。
スマートフォンのディスプレイをデジカメのモニターと操作部のように使う、「レンズスタイルカメラ」というジャンルのカメラとして今でも販売を続けています。
Pi SOLOはソニーのレンズスタイルカメラとほぼ同じ形態のデジタルカメラで、新しいところはレンズにカメラで言うところの「円周魚眼」レンズを搭載して、全天周カメラとして作られている部分です。
今回は、やはりクラウドファンディングの力を使って、新しいタイプのレンズスタイルカメラを世に出そうとしているプロジェクトの製品をご紹介します。
スペック
Pi SOLOは画角187度の円周魚眼レンズを備えた、シャッター以外の各種操作を行うスイッチ類とディスプレイを持たない、デジタルカメラのコア機能だけを備えた本体を持つカメラです。レンズスタイルカメラの概念を言葉にすると、意外と面倒な説明になってしまいますね。
このジャンルのカメラで先行したソニーやオリンパスの製品と同様に、スマートフォンと連携させて写真撮影を行うのが基本となっています。
専用アプリとWi-Fiを使ってスマートフォンと接続し、スマートフォンの画面をファインダー代わりにし、各種操作もスマートフォン側から行うようになります。
撮影できる画像の解像度は3,456 x 3,456ドットの正方形。
ただし、レンズが円周魚眼タイプで映像の映り込む範囲が円形ですので、四隅に黒い空白が出来ます。
解像度から逆算すると、約1,600万画素の1/2.3型裏面照射タイプのCMOSセンサーが使われているのではないかと思います。
この予想が正しければ、ある程度の高感度の画質も確保できそうです。
動画の方は1,920 x 1,920ドット、毎秒30コマで撮影が行えるようになっています。
カメラ側にマイクロSDカードスロットを持っていて、撮影データはそちらに記録されるはずです。
カメラ本体の重量は66gと軽量。バッテリーの容量は640mAhとなっています。
撮影中はずっとWi-Fiの電波でスマートフォン側と通信を行い続けることになると思いますので、バッテリーの消耗はそれなりに早いことが予想されます。
レンズはかなり明るいF2.1のものが使われていますが、1/2.3型のセンサーで魚眼レンズならば、実焦点距離が非常に短く被写界深度がとても深くなりますので、オートフォーカスの仕組みがなくてもほぼすべての距離にピントが合ったと見なせる「パンフォーカス」が得られるはずです。
ピントを合わせる動作が不要なため、写真撮影はとてもテンポ良くサクサク行えると思います。