背面に拡張モジュールをドッキングさせることが可能なユニークなフィーチャーを持つスマートフォン、モトローラのMoto Zシリーズ向けに、クラウドファンディングから合体型ハードウェアキーボードが生まれることになるかもしれません。
スライドさせることでキーボード部分がスマートフォンの下からせり出す仕組みで、スマートフォン黎明期(あるいは前夜)をご存じの方なら、シャープの「W-ZERO3」あたりを思い出されるかもしれませんね。
サイズ感こそ異なりますが、使い勝手などは非常に近いものになりそうです。
今回はとてもスマートなハードウェアキーボード「Physical Keyboard Mod For Moto Z」をご紹介します。
スライド&本体チルトのギミック付き
Physical Keyboard Mod For Moto ZはMoto Zシリーズの裏側にドッキングする形で、ハードウェアキーボードを実現するユニークな仕組みを取っています。モトローラのMoto Zシリーズは背面に拡張モジュール接続用の端子を持ち、これまでに光学ズーム搭載のデジカメモジュールや、拡張バッテリー、スピーカーユニットなど、ユニークな周辺機器が生まれています。
よく考えるとちょっと不思議ですが、Physical Keyboard Mod For Moto Zはどうやら初めて登場するMoto Z向けのハードウェアキーボードということになりそうです。
冒頭で取り上げたシャープ製のW-ZERO3のように、スマートフォン本体の下からキーボード部分をスライドして引き出すことで、QWERTY配列のかなり本格的なキーボードが使えるようになるタイプです。
また、Physical Keyboard Mod For Moto ZではMoto Z本体をチルトして起こすギミックも組み込まれるようで、使い勝手にはより配慮された製品となりそうです。
キー配列
基本的にはQWERTY配列の英語配列キーボードです。ただ、「:(コロン)」と「;(セミコロン)」の配置は他では見かけないタイプのちょっと変わったキー配列になっています。
その分をキーの幅に割り当てている、というわけでもなく、ページアップ、ページダウンキーが使っていますので、配列的にはちょっと微妙な感触が残るかもしれません。
それでもきちんと数字キーの列を設けるなど、手を抜かない部分は抜いていないキーボードになっています。
英語圏以外のヨーロッパでの利用を考えて、AZERTY配列、QWERTZ配列の製品の開発が予告されているところがらしい部分かもしれません。
キーの仕様
キートップの形、サイズなどを考えると、ノートパソコンのような本格的なパンタグラフ構造のキースイッチなどを使うことはかなり難しいでしょう。日本のフィーチャーフォンや、PC用の超小型キーボードなどに使われるタイプ、ゲーム機のコントローラのボタンに近いかもしれませんね。そういったキースイッチと同じようなタイプ感になるのではないかと思います。
Moto Zは5.5型と大きめのディスプレイを採用するスマートフォンですので、キーピッチは比較的大きめになりそう。
このキーボードを利用する際には両手で持って両親指で入力するか、机において両手の人差し指での二本指タイプを行なうようなイメージだと思いますが、サイズ的に意外とミスタッチはしないで済みそうなキーピッチが実現できそうですね。
またバックライトを内蔵して、暗いところでの使用も視野に入りそうです。
キーボードMODの色は、黒、白、金色が予定されていますが、最初に製造が行なわれるのは黒になります。出資で「Super Early Bird」プランを選択する場合には、色が選べず黒のみとなる点にはちょっと注意が必要かもしれません。
出資額は60ドルから
Physical Keyboard Mod For Moto Zへの出資は60ドルからコースがあります。実際に製品化されるときには120ドルでの販売が予定されている製品を、2017年7月に受け取れる予定となっています。黒以外の色を選びたい人は80ドル出資のコースで、60ドルコースの製品出荷以降の受け取りになるコースが使えるようになっています。
著者のように普段はパソコンがメインの人間だとスマートフォン用ハードウェアキーボードというだけで「おおっ?!」となるのですが、スマホネイティブなユーザーだとあまりハードウェアキーボードは心に響かないのかもしれません。
Physical Keyboard Mod For Moto Zの資金集めは若干苦戦気味のようです。あとは、どの機種でも使える汎用の製品ではなく、Moto Zシリーズ専用となる部分も苦戦の理由かもしれませんね。
Bluetooth接続のキーボードならばMoto Zシリーズ向けだけではなく、他機種用でもこのギミックのキーボードが作れそうにも思いますので、そちらの方向も考えてくれるメーカーが現れないかしら、と思わせてくれるとてもユニークな製品だと思います
