今までのタイプのイヤフォンジャックを本体から排除したiPhone 7シリーズのリリースで、イヤフォンのジャンルの市場が逆に活性化する形になりました。
それだけiPhoneシリーズが大きな市場と影響力を持っていることの表れですね。
そんな大きな動きの出ているイヤフォン市場ですが、一番大きく動いているのがBluetooth方式のヘッドセットのようです。実際にiPhone 7のリリース以降、売り上げが大きく伸びているとの統計の資料が出始めました。
iPhone 7との兼ね合いでもう一つ動きが出ているのが、Lightningコネクタ直結型イヤフォンです。
今までは、メジャーメーカーがあまり対応に動いていませんでしたが、大手のイヤフォンメーカーも徐々に対応に乗り出し始めています。
そんな中、高音質のイヤフォンで名前をはせるメーカーの一つ、AKGも遂にこの市場に乗り出すことにしたようです。同社の定評あるイヤフォンN20をベースにした製品を登場させました。
今回はこの製品、N20LTをご紹介します。
AKGとしてはエントリー機
N20LTのベースとなったイヤフォンのN20は、AKGのイヤフォンとしてはエントリークラスに当たる機種です。比較的小口径の7mmの振動板を持つダイナミック型ドライバー1発でバランスの良い再生を可能にした機種で、既に音質面で一定の評価を得ているイヤフォンです。
価格は1万円+αぐらいと、安価とは言いにくい価格帯の製品かもしれませんが、本格的に音楽に浸るためのイヤフォンとしてはスタート用にも良いレベルの製品です。
これにLightningコネクタ直結型の製品に必須となる、小型のDACとヘッドフォンアンプを組み合わせたのがN20LTになります。
価格は音質重視のLightningコネクタ直結型イヤフォンとしては、比較的手の出しやすい価格帯を実現してきました。直販価格では14,880円+消費税で販売されます。
ハイレゾ対応も実現
N20LTでは音質面にも、当然ある程度のこだわりを持った製品作りがなされています。搭載されるDACはハイレゾ音源対応で、24bit/48kHzまでのサンプリングレートに対応しています。
また、iPhone本体をコントロールできるボタンを備えていて、音楽プレイヤーアプリなどをリモコン側から操作可能です。
通話用のマイクも搭載しているため、ヘッドセットとしてiPhoneをポケットなどにしまったまま、受話・通話が可能になっています。
音質はもちろんしっかり
N20は本来の能力を出し切らせるためには、少し音楽などを鳴らし続けて各部の「慣し」を行なう「エイジング」が必要なタイプのイヤフォンのようです。一度、本領を発揮できるようになると、かなり素晴らしい音での再生が出来るイヤフォンです。小径の振動板を使っているというイメージを超える低音の量感も持ち合わせる機種になっているようです。
イヤフォン部分はN20LTも同じ特性を引き継いでいると思いますので、この辺りは使いこなしの一つのコツになるかもしれませんね。
イヤーチップには耳穴の大きさの違いに合わせて4サイズ(XS、S、M、L)が付属していますので、かなり多くのユーザーに適合する製品になるでしょう。
この製品に限らず、カナル型のイヤフォンは耳穴にしっかりと装着できるかどうかで、聞こえてくる音が全く変わってきます。しっかりとはまらない場合、大抵は低音不足のバランスの悪い音になりがちですので、この部分には注意をしてイヤーチップを選ぶと良いと思います。
AKG 2017-04-21