先日Shureが交換式ケーブルとして、iPhoneのLightningコネクタに直結できるタイプのものを発売しました。中身としては立派にDAC内蔵のヘッドフォンアンプなのですが、これを「ケーブル」として発売したことがとてもユニークです。
このケーブルはイヤフォンなどの交換式ケーブルで使われる「MMCX」というコネクタを使っています。これによりShureのイヤフォンだけではなく、他社製品にも使える可能性のある汎用性が生まれています。
このMMCX方式のケーブル交換の仕組みを別の形で上手く活用した製品が登場しました。それが今回ご紹介するADVANCEDブランドの「MODEL 3」というイヤフォンです。
有線接続だとハイレゾ対応
MODEL 3は付属の通常のイヤフォンジャックに接続するためのケーブルを使用すると、ハイレゾ対応を名乗ることが出来るイヤフォンになります。この機種は小径の振動板を採用したダイナミック型のドライバーを搭載しています。ダイナミック型らしいバランスの良い空間表現が期待できます。
再生周波数帯域は20Hz〜40kHzでハイレゾ対応のスペックを名乗ることが出来る水準をクリア。インピーダンスは16Ωと一般的なスペックのイヤフォンとなっています。
付属の交換用「ケーブル」との交換でBluetoothイヤフォンに変身
MODEL 3がユニークなところはここからです。最初からBluetoothレシーバー機能を持つ「ケーブル」が付属しているのです。
有線接続用のケーブルからこちらにケーブル交換を行なうことで、MODEL 3はBluetooth接続タイプのイヤフォンにも変身できるのです。
Bluetoothの対応バージョンは4.1。音声伝達用のコーデックとしては、高音質のAAC、aptXに対応するなど、しっかりと音楽を聴くためのイヤフォンとしてのこだわりを見せています。
ケーブルのBluetoothレシーバー部に充電式のバッテリーを内蔵していて、最大5時間の再生に対応しています。
マイクロUSBコネクタ経由で充電を行うことができ、充電時間は約1.5時間となっています。
実際の使い勝手では完全ワイヤレスイヤフォン以上?
ケーブルがある分、スマートさでは完全ワイヤレスイヤフォンに譲るMODEL 3のようなタイプのBluetoothイヤフォンですが、実際に使い勝手を考えるとむしろこちらの方が扱いやすいかもしれません。一時的にイヤーピースを耳から外した際には、ケーブルをつかって首にぶら下げておけるのが一つ。
もう一つは一般的にこのタイプは、バッテリーでの運用時間が完全ワイヤレスタイプのイヤフォンよりもかなり長いことが上げられます。
このあたりは使っていく上での慣れもあると思いますが、ユーザーそれぞれがご自身の使い方にあった機種を選択するのが良いでしょう。
リーズナブルな価格
MODEL 3はBluetooth接続も可能なある程度音質にも振った方向のイヤフォンとしては、リーズナブルな価格が実現されているところも特徴の一つかもしれません。有線接続用、Bluetooth接続用の交換ケーブルの両方が付属しながら、税込み10,800円のプライスタグが付けられています。
アメリカの販売サイトでは既にかなり高い評価も得ているようです。
MMCXコネクタはメーカー間で微妙な非互換もあったりはするのですが、ケーブル交換で機能性アップという面白い方向性が打ち出された製品になっています。
ShureのLightningコネクタ直結用ケーブルやMODEL 3のBluetooth接続用ケーブルなど、プラスαの機能を持つ「ケーブル」製品が増えていくと、リケーブル可能なイヤフォンのジャンルがまた一つ面白くなるかもしれませんね。