インターネットを利用する人口のうち、スマートフォンネイティブなユーザーが今ではメインになっているかもしれません。そういった人たちは恐らく自宅でインターネットを利用するときにも、スマートフォンを利用するでしょう。
そういうケースで通信料金を節約する鍵が、有線の光回線などの活用です。
毎月使う通信データ量によっては、新たに携帯回線の他に光回線を別に契約する方がずっと安上がりになるケースもありますし、既に自宅に有線の回線が引いてあるならそれを活用しない手はありません。
そんな使い方をするときに便利なのがWi-Fiルーター(無線LANルーター)です。今回ご紹介する「kisslink」はWi-Fiルーターの1種ですが、ちょっとした工夫で使い始めの設定がとても簡単に完了できる仕組みになっています。
今回は、現在クラウドファンディングのmachi-yaで資金を集めているユニークなWi-Fiルーター、kisslinkをご紹介します。
最大の特徴は独自の近接認証の仕組み
Wi-Fiルーターを利用するときにちょっと面倒なのは、初回の接続設定です。接続を行なうスマートフォンやパソコン側で、ルーター側に設定されているパスワードを入力する必要があります。セキュリティ上やむを得ないとは言え、このパスワードが見事にランダムでその長さもかなり長いものになっています。
まあ、基本的には一度設定を行えば大丈夫ではありますが、手間がかかることには変わりはありません。
この部分をkisslinkでは大幅に改善してきました。
特許を取得済みの独自の近接認証ギミックにより、接続を行ないたいデバイスをkisslinkにタッチするように近づけるだけで、Wi-Fiの接続設定が完了する仕組みです。
こういった近接認証は一般的にはNFCなどの仕組みを使うことが多くなりますが、kisslinkではNFCは不要なところも大きな特徴です。
自宅での利用でも、例えば友人が遊びに来たときにWi-Fiを使ってもらう際の設定がとても楽ちんになりますね。あとは、カフェや共用スペースでのWi-Fi利用にも便利に活用できそうです。
ルーター機能もある。中継器にもなれる
一般的なWi-Fi機器ではルーター機能を持つ機種はWi-Fiの親機にはなれますが、Wi-Fi中継器としても利用できる機種は多分存在しません。また、Wi-Fiの中継器として販売されている機種をルーターとして利用することは出来ません。ですがkisslinkはWi-Fiルーターにもなれますし、Wi-Fiの中継器にもなれます。
この機能もとてもユニークですね。
接続時間の制限機能付き
kisslinkには接続を行なった端末の接続時間を限定できるタイマー機能が備わっています。自宅での利用ならばペアレンタルコントロールの一環として、子どもさんのスマートフォンなどからのネット利用時間を限定することが考えられます。
カフェや共有スペースでのWi-Fi利用においても、それぞれのユーザーごとの利用時間の管理が出来るようになります。
また、実際に利用してみるとWi-Fiやルーターというのは思いの外不調が起こる可能性のあるデバイスで、なんだか良く理由が分からないけどネットにつながらなくなった、といったトラブルが案外発生するものです。
こういった際にもkisslinkには、トラブル原因を自ら調べて調整してくれる機能が備わっています。「ZENボタン」という専用のボタンを押すだけで機能を復帰させることが出来るようになっています。
スペック的には少々残念な部分があるものの
kisslinkは残念ながらWi-Fiの規格、有線LANの規格とも、最新のものには対応できていません。Wi-Fiのほうは最新のIEEE802.11acには未対応で、IEEE802.11nまでの対応となります。恐らく最大のリンクアップ速度は300Mbpsです。
また有線LANポートは100Mbpsまでの対応です。最近の光回線は家庭用でも1Gbps対応が一般的になっているだけに、ちょっと残念な部分です。
ただ、実際のインターネット利用においては、IEEE802.11nや100Mbpsの有線LAN程度の性能があれば、通信の遅さを感じるケースはほとんどないでしょう。
一部、巨大なネットワーク経由のアプリやOSのアップグレードプログラムでも落ちてこない限り、性能面で問題が出るケースはないと思います。
それ以上に接続の簡単さ、ルーターとしても中継器としても利用できる便利さが大きいと思います。
また、デザインもIT機器らしからぬ曲線を活用した柔らかいデザインと色使いで、リビングに置いても何ら違和感のない仕上がりになっていると思います。