Ankerと言うブランド名を聞いて多くの人が最初に思いつく製品は、モバイルバッテリーではないでしょうか。リーズナブルな価格で高品質なモバイルバッテリーを製造販売しているメーカーの一つです。
そのAnkerから、iPhoneシリーズのLightningコネクタに直結できるタイプのイヤフォンが登場しました。
お手頃価格ながらハイレゾ音源にも対応。さらに、IPX3クラスではありますが簡易的な防滴構造にもなっている製品です。
今回はAnkerのイヤフォン、「Anker SoundBuds Digital IE10」をご紹介します。
最大の特徴はお求め安さ
従来のタイプのイヤフォンジャックを省略して話題となったiPhone 7シリーズの登場で、注目を集めたイヤフォンの系統が二つあります。一つは、Bluetooth接続のイヤフォン。その中でもAirPodsをはじめとする完全ワイヤレスタイプが人気を博しています。新製品もまさに百花繚乱状態。
もう一つは有線タイプですが、Lightningコネクタに直結できるタイプのイヤフォンです。
Lightningコネクタからはアナログの信号が一切出力されていませんので、このタイプのイヤフォンはイヤフォン側にDACとヘッドフォンアンプを持つ形になります。
使うDAC次第でハイレゾ音源にも対応可能となる関係で、メーカーそれぞれの作り込みの腕の見せ所となっています。
ここまでに発売されたLightningコネクタ直結型イヤフォンには音質を追求する形でスペックの高いDACを搭載するなど、やや高価な製品が先行したイメージがありました。
ですが今回ご紹介するIE10は、税込み6千円程度のリーズナブルで手にしやすい価格を実現してきました。
この価格ながらDACは24bit/48kHzまでのハイレゾ対応。
IPX3の防滴対応も同時に実現しています。iPhone 7本体の防水対応とも合わせ、屋外での利用に適した性能を持っていると言えそうです。
独自のイヤーフックによる安定した装着性
イヤーピースには耳の内側に引っかけるシリコン製と思われるフックが付いています。これを耳にうまく合わせることで、安定した装着性を実現しました。また、耳穴の大きさに合わせる形で、S/M/Lの3サイズの交換用イヤーチップも付属しています。イヤーフックの方もS/M/Lの3サイズのスペアが同梱されています。
カナル型のイヤフォンは、耳穴にしっかりとはまらないとどうしても低音が不足した音になってしまいますので、このような装着の安定性を図ってくれる工夫はうれしいところです。
音質面にも工夫が
IE10にはイヤフォン側に利用シーンを考慮したイコライザー機能が搭載されています。出先の周囲の騒音の中で利用すると、どんなに遮音性の高いイヤフォンでも周囲の音がある程度は侵入してくるため、静かな家の中で音を聞くときとは少し異なる音の再生特性が必要になります。
このあたりに配慮する形でIE10の音作りが行なわれているようです。
ただ音質面には過大な期待はしない方が良いかもしれません。Amazonのレビューを見ると、ホワイトノイズが気になる、というユーザーがそれなりにいました。
iPhoneとの組み合わせで利用するシーンや価格面を考慮するならば、妥当な落としどころではあるのかもしれません。
価格的にエントリークラス+α程度の価格帯で、ハイレゾ対応のLightningコネクタ直結型イヤフォンが入手できるようになった、という事実はかなり大きいと思います。