カメラの世界で非常に強力なブランド力を持つ、ドイツの「ツァイス」という製品・ブランドをご存じでしょうか。
銀塩カメラが生まれた頃からずっと続いてきたドイツのクラフトマンシップを代表する製品の一つで、今でもカメラユーザーにはある種あこがれのブランドの一つです。
そして、ブランド力だけではなく、実際にレンズ製品として極めて高い性能を誇るレンズ群を生み出す優秀なメーカーでもあります。
iPhone用に各種コンバージョンレンズを製造販売してきたExoLensというメーカーから、このツァイスの手になるワイドコンバージョンレンズが発売されました。
iPhoneに装着した形もかなり弩級といえるインパクトがありますが、価格面でも超弩級のプライスタグが付くこの製品、今回は「ExoLens with Optics by ZEISS Wide-Angle Lens Kit」をご紹介します。
iPhoneで超広角撮影が可能に
今回ご紹介するExoLensのワイドコンバージョンレンズは、マスターレンズの焦点距離を0.6倍に変換(コンバート)する外付けレンズです。写真用レンズでは焦点距離が短くなるほど画角が広く、広角になっていきます。iPhone 6s Plusでは本体に付いているレンズは、35mmフィルムに換算して29mm相当となる広角レンズですが、これに本製品を取り付けると約18mm相当の超広角レンズになります。
1回の撮影でより広い範囲を画面に取り込むことが出来るようになります。また、室内など後ろに下がれる距離が限定される場所での撮影が色々と楽になります。
その代わりに画面隅や端に人を入れたりすると、不自然に画面外側に向かって引っ張られたような写り方になることが多くなります。また、iPhoneを前後に少しでも傾けると、建物などは上下どちらかが大きくすぼんで変形して写りやすくなります。
写りの方は上々
一般的に望遠用でも広角用でもコンバージョンレンズを装着して写真を撮ると、元々のレンズだけで写真を撮った場合よりも画質は低下します。特に性能の低い安価なコンバージョンレンズでは、画面周辺がにじんだり不自然な色付きがでたりと、写真の写りにそれなりのダメージが出るのが常識です。ですが、このツァイスブランドのExoLensは非常に高性能で写り具合の低下が少なく、直線が曲がって写ってしまう歪みもほとんど発生しません。安心して超広角撮影にチャレンジできる製品に仕上がっています。
カメラファンならグッとくる作り込み、ただし..
一般的なコンバージョンレンズに比べこのレンズはかなり大柄なサイズです。サイズにあまり制約をつけなかった点がその性能に反映されているのでしょう。また、レンズには誇らしげに青いZEISSのバッジが付いています。このツァイスレンズならではのバッジを見るだけでグッとくるカメラユーザーも多いでしょう。レンズ先端に向かって曲線を描いて広がる形は、最新のレンズ交換カメラ用のツァイスレンズにも共通するテイストです。
ただ、そのこだわりの作り込みが使い勝手などには若干影響するかもしれません。このレンズを取り付けると、iPhone本体に比べレンズの存在感がすごく大きくなります
また、レンズを装着するためのバンパー状のアタッチメントもかなりゴツイ感じで、これを装着して写真を撮るとかなりの注目を集めるのは間違いないでしょう。
装着にも若干手間を喰うため、スマートフォンのカメラならではの機動性はある程度削がれるかもしれません。
価格も超弩級、だが
レンズの作り込みや写りの方は素晴らしいものがあるこの製品ですが、プレイスタグを見るとまたびっくりされる方が多いかもしれません。一般的なコンバージョンレンズの数倍からそれ以上のお値段になります。Amazonでは現在4万円程度の価格で販売されています。ただ18mm相当という超広角の世界は、従来ならばレンズ交換式の本格的なカメラでしか味わえない世界でした。それをiPhoneでも実現可能にするこのレンズは、iPhoneの写真撮影の幅を大きく広げてくれるでしょう。