「ヘッドアップディスプレイ」という装置をご存じですか?
元々は戦闘機のコックピットで戦闘中に計器に視線を落とすことなく、各種の情報を確認するための仕組みとして作られたものだと思います。ハーフミラーを使って実像に何らかのディスプレイ映像をオーバーレイするような形で表示を行なう仕組みです。
この仕組みを自動車でも利用できるようにするディスプレイが、少しずつですが採用される例が増えてきました。
そんなヘッドアップディスプレイの後付け型のものを、上海問屋が比較的お手軽な価格で販売してくれています。
今回は上海問屋のお手軽な車載用ヘッドアップディスプレイ「DN-914413」をご紹介します。
ヘッドアップディスプレイの良さ
ヘッドアップディスプレイを使うことの良いところは、自動車ならば視線をメータークラスターに落とすことなく必要な情報を読み取ることが出来る部分です。自動車を運転する上で一番重要な視覚からの情報は、やはり走って行く先の視野の情報です。正面の景色から目をそらす時間が長くなれば長くなるほど、運転する上での危険度も増します。
うまく配置したヘッドアップディスプレイを使えば、前方確認を行なう視線から大きく目を動かすことなく、運転に必要なメーター表示情報を読み取ることが出来るようになります。
安全性も高まる可能性がありますし、視線移動による疲れも軽減できる可能性があります。
こういった観点で、最低限の情報をフロントウィンドウに映し込むようなタイプのヘッドアップディスプレイを標準搭載する車も増えてきました。
後付けでHUDを実現する製品
今回取り上げる上海問屋の車載HUD、DN-914413はシンプルな構成で比較的お手軽な価格を実現したヘッドアップディスプレイです。デジタル表示で、エンジンの回転数、速度、走行距離などの表示が出来るものです。情報は自動車の診断用情報取得コネクタであるOBD2を利用しますので、正確な情報が表示できる仕組みです。
OBD2は自動車の点検でディーラーなども活用するコネクタですから、比較的ユーザーもアクセスしやすい場所にあります。後付けの機器の取り付けも楽に行えるはずです。
視認性にはちょっと慣れが必要?
この製品はお手軽価格実現のためか表示は全てデジタルで、今だとちょっと珍しい7セグメントタイプの、かつての電卓の数字のような表示です。直感的に値を読み取るにはちょっとした慣れが必要かもしれませんね。
また、数字表示部分の明るさの自動調節などはなさそうです。夜、周囲がかなり暗くなった状況では、数字の表示が明るすぎる感じも出てくるかもしれません。
またこの製品ではコストカットのために仕組みが簡素化されていて、数字を写すハーフミラー的役目を果たす半透明のグレーのパネルの角度が変更できないようです。
このためドライビングポジションで見やすい位置にディスプレイを持ってくるための調節が若干難しいケースもあるかもしれません。加えて、しっかりとダッシュボードに固定するためのツールも付属しません。
このあたりの部分は価格とのトレードオフになりますね。
それでもきちんと設置さえ出来れば、便利に活用できそうな面白い製品だと思います。
上海問屋には他にもお手軽な車載用ヘッドアップディスプレイがあります。そちらもチェックしてみると良いかもしれません。