以前、クラウドファンディングのMakuakeで「アトモフウィンドウ」という、インテリジェンスのあるデジタルフォトフレーム的なガジェットがプロジェクト化されましたが、今度はドイツからWindows 10を搭載した「ルームミラー」が登場します。
製品名は「Dirror」。
フランスで製品化が進んでいる4in1デバイスのGraal Phoneもそうですが、ヨーロッパの人たちのセンスって、やはり日本人やアメリカ人のそれとはひと味もふた味も違う感じですね。
こういったユニークな製品が生まれてくるのは、ヨーロッパならではの発想のような気がします。
今回はこの、非常にユニークなルームミラー、ドイツ生まれのDirrorをご紹介します。
壁掛けタブレット端末??
Dirrorはきちんと鏡としても機能するのですが、鏡部分の構造が恐らくハーフミラーのような形になっていて、鏡の面にWindows 10搭載のタブレット端末としての画面表示が出来るようになっています。
製品のサンプル画像を見てみると、完全にルームミラーの外見をしたものの中に見たことのあるWindows 10の「スタート画面」が表示されています。
製品の部分だけを切り出すと、額縁部分がリアルウッド製の大型タブレット端末、のように見えなくもありません。
実際にタッチ操作も可能になっていますので、機能的にはバッテリー駆動の出来ない据え置き型タブレット端末、ということが出来るでしょう。
サイズが3種類あって、Sサイズが10.1型液晶、Mサイズは23型液晶、Lサイズは27型液晶を搭載する形になります。
パソコンとしてのスペック
Windows 10パソコンとしての中身もバッテリーを内蔵せずAC電源が必須になる部分以外は、ほぼタブレット型パソコンに相当するスペックになっています。CPUにはATOM x5-Z8300またはATOM x7-Z8700を搭載。メインメモリは2GBまたは4GB。ストレージは32GBまたは128GBとなります。
上位機種のMサイズ、Lサイズのものは、かなり本格的なパソコンとしての利用も十分に出来るだけのスペックを持っていますね。
Sサイズのものは画面の解像度が800 x 1,280ドット、Mサイズは1,080 x 1,920ドットのフルHD。LサイズのものはフルHDまたは1,440 x 2,560ドットのより高解像度のディスプレイも選択可能です。
IEEE802.11nまでの無線LAN、Bluetooth4.0にも対応し、音声認識の機能も備えています。
Windowsパソコンそのものなので、使い方は発想次第
DirrorではフルセットのWindows 10が動きますから、どのように利用するかはまさに使う人の発想次第でなんとでも出来ます。既存のWindows用のアプリの組み合わせだけでも非常に色々な可能性が考えられるでしょう。
そのあたりは固定機能のデジタルガジェットとはことなり、機能の自由度が極めて高いパソコンならではと言えると思います。
Windows 10標準の機能だけでもスケジュール管理機能付きのカレンダーや、デジタルフォトフレーム的な使い方、ニュースヘッドラインの表示などが簡単に行えます。
場合によっては、よりこだわる人は自分の用途向けに、Windowsのアプリを自分で作ってしまうことだって出来ます。
そのあたりの自由度の高さが、実はDirror最大のウリになるかもしれませんね。
価格は高め
単純にパソコン機能のスペックだけを見ると、Dirrorはかなり高めのプライスタグが付いている、と言えると思います。Sサイズが970ユーロ、Mサイズが1,900ユーロ前後、Lサイズに至っては最も高い機種が2,470ユーロ、約30万円もします。
ただ、非常に美しいしっかりした額縁が付いていて、完全に家具として生活に溶け込めるデザインはなされているように思います。
使い方はユーザ次第といった部分はありますが、でもこれもまた一つ、かつてのSFの中で夢見られてきたデジタルガジェットが実現したと言えるかもしれません。