パソコンの中で一時期、超小型PCが大変な盛り上がりを見せました。
今はその動きは少し収まった感がありますがスティック型PCなどもすっかり市民権を得て、普通のPCの1ジャンルと見なされるようになってきました。
超小型PCを突き詰めた形のスティックPC、その本家とも言えるインテルのCompute Stickシリーズに、待望のCore mプロセッサ搭載モデルが登場しました。
今回はこの新型Compute Stickをご紹介します。
新Compute Stickのスペック
今回発売された新Compute StickはCPU以外も増強が図られ、パソコンとしての実用性が更に上がっています。CPUには第6世代Coreプロセッサのタブレット端末向けモデル、Core m5-6Y57とCore m3-6Y30が搭載されています。
Core m5-6Y57は定格1.1GHz動作、ブースト時最大2.8GHz動作となります。Core m3-6Y30のほうは定格900MHz動作、ブースト時には最大2.2GHzまでクロックが上昇します。
これまでのスティック型PCに採用されていたATOMプロセッサよりも定格時のクロックが低く抑えられていますが、Coreプロセッサは1クロックあたりの性能がATOMよりもずっと高いので、実効性能では引けを取らないどころかATOMプロセッサよりもかなり高い性能を発揮します。
メインメモリは4GB、ストレージ用のSSDにはeMMCタイプの64GBのものが搭載され、ある程度の余裕を持ってWindows 10などを運用できるようになりました。
最新規格の高速無線LANや最新のBluetoothに対応。マイクロSDXCカードスロットを搭載して128GBまでのマイクロSDカードが使用可能です。
また高速汎用インタフェースのUSB3.0を1つ搭載。
面白い機能として電源をマイクロUSBコネクタから供給しつつ、そのケーブルにUSBの通信用の信号も流せるようにすることで、ACアダプタが2ポートの「USB3.0ハブ」として機能するように作られた点があります。
これで本体のセットのみで合計3つのUSB3.0コネクタが使えるようになっていて、拡張性にも十分な考慮がされるようになりました。
外部に容量の大きなハードディスクがあれば、メインPCにも
動画の編集や大量の写真をどんどん処理するなど、ハイパワーなパソコンでも重たい処理を日常的に行なうようなユーザーでなければ、Compute StickをメインPCとしてしまうことも十分視野に入ってくる性能を持つようになりました。Webサイトの閲覧やネット動画の視聴などは楽々。オフィスソフトでの文書作成なども全く問題なくこなせます。ブラウザゲームなども問題なく実行できますし、おそらくは軽いものであればより本格的なゲームもこなす性能があります。
USB3.0コネクタを活用すれば、外部に大容量のハードディスクを接続してそちらに大きなデータを逃がすことも可能になります。より本格的なパソコンとしての運用も十分に可能です。
売れ行きも好調?
実のところお値段はかなり高めとなります。ものによっては1万円そこそこから購入可能だったATOMプロセッサ搭載のスティック型PCとは異なり、今回ご紹介したCore m搭載のCompute Stickは、OSなしの最も安いモデルでも4万円以上のプライスタグが付きます。
Core m3でWindows 10搭載のモデルが6万円弱、Core m5搭載でOSレスのモデルは7万円近くします。
ですがどうも売れ行きは好調のようで、スティックPCというちょっと特殊な形のパソコンであっても、ある程度以上の性能を求めるユーザーがかなりの割合存在したようです。
今までのスティック型PCのパワーやメインメモリなどに不満を感じていた方には、よいソリューションになるパソコンかもしれません。