イヤフォンに限らずオーディオ機器の開発というのは結構大変です。色々な条件を工夫しながら、耳に届く音の波を出来るだけ邪魔せず忠実な形で鼓膜まで伝えないといけないからです。
イヤフォンでは振動板の材質や形、音を出すドライバーの形式では従来からのダイナミック型や、補聴器の仕組みから発展したBA型の使い分け、ハウジングの素材の使いこなしなど、色々な工夫がなされています。
だいたいは音質面にこだわる作りとなっているイヤフォンは、お値段の方もどうしても高価になりがちです。
そんなイヤフォンで、4,000円〜の予算で手に入れられる手軽さながら「HDSS」技術を採用することで、良い音と自然な音の広がりを実現しようとする製品が生まれそうです。
今回は現在AXESがクラウドファンディングのmakuakeで資金の調達を行なっている、HDSS技術採用のカナル型イヤフォンをご紹介します。
HDSS技術とは?
実のところHDSS(High definition Sound Standard)技術の詳細な部分は、特許で保護されている関係か良く分からない部分が多くなっています。HDSS技術ではイヤフォン内部に「ETL(Embedded Transmission Line)」と呼ばれる特殊なデバイスを配置することで、音楽などの再生の際にイヤフォン内部で発生する微細な揺れや歪みを吸収して、自然で聞き心地の良い音楽を再現できる技術とされています。
このHDSS独自のETLが音楽を濁す不要な音波を吸収してくれるのだそうです。
実際に既にいくつもHDSS技術を採用したイヤフォンが世に出ていますが、Amazonのレビューなどでもある程度の評価を獲得した製品が多くなっているようです。
金属製ハウジングのコンパクトなカナル型
このイヤフォンは直径8mmの比較的小口径の振動板を持つダイナミック型ドライバーを採用したイヤフォンです。カナル型でアルミと思われる金属製のハウジングを使った、コンパクトなイヤーピースを実現してます。
装着性はかなり良さそうで、使用時も存在感を主張しすぎないサイズとデザインと言えるでしょう。
ユーザーの耳穴サイズに合わせてS、M、Lの3サイズのシリコン製イヤーチップが同梱されます。
感度の方も100dbあって比較的高めですので、ポータブルアンプなどを用意しなくても、普通のスマートフォンやポータブルプレイヤーで十分駆動できるイヤフォンだと思います。
自然な音の広がり
HDSS技術を搭載したイヤフォン共通の特徴のようなのですが、このイヤフォンも自然な音の広がり、定位感を実現できる製品になっているようです。特にカナル型のイヤフォンでは、演奏される音楽の音の像が頭の芯に小さくギュッと固まるようなイメージになりがちです。この部分が苦手でイヤフォンタイプのヘッドフォンを避けている方もいるのではないかと思います。
このイヤフォンではプロジェクトページで「3Dサウンド」と表現しているように、自然な音場の広がり感、定位感を実現できるようです。
お手頃価格
イヤフォンやヘッドフォンなどのオーディオ機器の評価は、最終的にはユーザーの感覚に任されています。このため、Amazonのレビューなどで高い評価を得ている製品でも使う人みんなに合うとは限りません。このため高価な製品を実際に試すことなく購入するのは、ある程度ギャンブル的な要素の残る行為になってしまいます。
このイヤフォンは、今募集中のコースでは4,500円の支援で1つ製品が手に入れられます。正式に製品化された際にも5,000円+α程度での販売が予定されていて、比較的お手頃に試せる価格なのがうれしいところですね。
HDSS技術がもたらす音がどんな物なのか、それを試すのにも最適なイヤフォンの一つと言えるかもしれません。