大容量のモバイルバッテリーも機能的に全社横並びの製品ばかりになった印象があります。登場し始めた頃には、容量が10,000mAhある、というだけでその製品の売り文句になっていたのですが。
そんな、とんがった特徴を打ち出しにくくなっているモバイルバッテリーに、サンワサプライがまた面白い製品を投入してきました。
今回はサンワサプライの大容量モバイルバッテリーの新製品をご紹介します。
防沫・耐衝撃
まずこのモバイルバッテリーが面白いのは、IPX4クラスの防沫性能を持つところです。完全な防水能力はありませんので水中での使用は出来ませんが、多少の雨に濡れる程度であれば利用が可能です。屋外で利用するケースが多いはずのモバイルバッテリーとして、ありそうでなかったスペックの製品ですね。
またこの製品はボディー周辺にプロテクターを装備していて、ある程度の耐衝撃性を備えています。
モバイルバッテリーは強力なパワーを持つリチウムイオンバッテリーを内蔵していますので、万が一内部でショートを起こしたりすると加熱による発火や最悪の場合には爆発の危険もあります。
このモバイルバッテリーは耐衝撃性を備えることで、そういった事故の危険性を引き下げることが期待できます。防沫性能とも合わせ、屋外での使用に適したスペックと言えるでしょう。
太陽電池つき
面積がモバイルバッテリーの側面に限られますから能力的にはかなり限定されてしまいますが、このモバイルバッテリーは太陽光でバッテリーの充電が可能な太陽電池を装備しています。これにより天気の良い日であればゆっくりと内蔵バッテリーの充電が可能になっています。
さすがに太陽電池のパワーには限りがあるため、バッテリーのフルチャージには6日もかかる仕様ですが、でも災害時など停電が長期にわたる際の緊急用の電源として貴重な存在になってくれる可能性がありそうです。
LEDライト装備
著者もこれと同じことをモバイルバッテリーでやろうとしたことがあります。Amazonなどで入手可能なLEDをモバイルバッテリーに取り付けると、懐中電灯の代わりとして長時間使用可能な明かりになるのです。こちらも災害などの際にはとても長時間点灯可能な明かりとして、非常に役立ってくれる可能性があります。
この製品では0.5WのLEDを内蔵しています。今どきのLEDとしてはさほど明るいものではなさそうですが、でもこの消費電力ならばかなり長時間の利用が期待できます。
実際にカタログスペックでは、バッテリーがフルチャージ状態ならば30時間以上の点灯が可能とされています。
太陽電池と組み合わせることでより長時間の利用も期待できます。
モバイルバッテリーとしてのスペック
この製品のサイズはiPhone 7 Plusよりも一回り大きいぐらいの大きさでしょうか。耐衝撃のためのプロテクターをまとっている分、サイズは少々大きめで、重量も少し重めです。
バッテリーの容量は10,00mAhで、iPhone 7を約3回、Xperia Z5を約2回、9.7インチのiPad Proを1回ほぼフル充電できる容量があります。
充電用のACアダプタは付属しませんが、USBのType-Aコネクタから出力できる汎用のACアダプタが利用できます。こちら経由で約7時間でフル充電できます。
電流の出力端子は2つで合計2.1Aまでの出力が出来ます。1台だけであれば急速充電が可能で、通常速度での充電ならば2台同時の充電も出来る仕様です。
単なるモバイルバッテリーだけではないプラスαの機能がこの製品の存在感を際立てている印象ですね。サンワサプライらしいユニークな製品と言えるでしょう。